④ 2026年「秩序ある共生社会」とは?外国人政策の新たな方向性 |【制度改正・最新情報】藤沢市の行政書士

令和8年(2026年)1月23日、政府は「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を決定しました。

これは、これまで進められてきた「共生社会の実現」という考え方を土台としながら、そこに「秩序」という視点をより明確に加えた政策方針です。もっとも、「秩序ある共生」という言葉だけを見ると、「規制強化や排除的な政策への転換」という印象を受ける方もいるかもしれません。

しかし、実際には、外国人との共生を進めながら、日本社会のルールや制度を適正に運用し、安全・安心な社会を維持していこうとする考え方が背景にあります。

2025年の政府方針では、日本語教育、多言語での情報発信、生活支援、就労支援など、「共生社会の実現」に向けた環境整備が重視されていました。
その一方で、在留外国人数の増加に伴い、不法残留、制度の不適正利用、悪質な仲介業者への対応など、制度運用上の課題も顕在化してきました。
こうした流れを受け、2026年以降は、「支援の充実」に加えて、「ルールの適正運用」をより重視する方向性が明確になってきたといえます。

今回は、この2026年版「総合的対応策」のうち、実務上特に重要と思われるポイントを整理します。

「秩序」を支える3つの柱

政府は、国民の安全・安心を確保し、不公平感を解消するため、特に次の3点を重視しています。

公正かつ明確なルールの徹底
我が国の法令やルールに違反する行為については、国籍を問わず厳正に対応する方針が示されています。

DXによる情報の透明化
マイナンバーを活用した情報連携を進め、在留状況だけでなく、税や社会保険料の納付状況なども正確に把握する仕組みづくりが進められています。

国土の適切な管理
外国人による土地取得等について、安全保障や地域環境への影響という観点から、実態把握やルール整備を進める方針が示されています。

在留管理の厳格化と利便性向上

今回の施策では、「ルールを守る外国人が適切に評価される制度設計」が強く意識されています。その象徴的な施策が、「特定在留カード」の導入です。

令和8年(2026年)6月からは、在留カードとマイナンバーカードを一体化した「特定在留カード」の運用開始が予定されています。

また、令和9年(2027年)3月からは、永住許可だけでなく、各種在留資格においても、税や社会保険料の納付状況を電子的に確認する仕組みが順次導入される予定です。

さらに、永住者については、公租公課の未納等がある場合、永住許可取消事由とする制度改正も予定されています。帰化制度についても、日本社会への融和を重視し、より厳格な運用が検討されています。

「育成就労制度」への移行準備

2026年は、技能実習制度に代わる「育成就労制度」への移行準備が本格化する重要な年でもあります。

令和9年度(2027年度)の制度施行に向け、令和8年度からは、
監理支援機関の許可申請 
育成就労計画の認定申請 
などの事前手続が始まる予定です。

また、育成就労外国人に対しては、認定日本語教育機関等による段階的な日本語教育が求められる方向となっています。

さらに、悪質な送出機関対策も強化されます。二国間取決め(MOC)を活用し、不当な手数料徴収や人権侵害を行う送出機関の排除を進める方針が示されています。

まとめ

2026年の「秩序ある共生」は、単なる受入れ拡大政策ではありません。
外国人との共生を進めながら、
・日本のルールを守ること 
・社会の一員として責任を果たすこと 
・適正な制度運用を維持すること 
を、より重視する段階へ入ったといえます。今後は、「支援」と「ルール」の両立を前提とした制度運用が、さらに重要になっていくことが予想されます。

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